グロースハッカーが私の憧れの職業になってからは、顧客満足や顧客の分類、顧客の成長について勉強するようになりました。
いまのお仕事はサービス業ではないのですが、仕事の先には利用するお客さんがいることを意識しています。
お客さんと触れ合う機会が減った今だからこそ、これまでの経験や考えを整理して、アウトプットできる余裕ができたのかもしれません。
目の前にお客さんがいる仕事をしていると、いまある一瞬一瞬に集中しています。
「今」に一生懸命だから、改めて広い視点で俯瞰してみるって難しかったりしますよね。
視点の違いから現場の人たちが「上の連中は何にも分かってないな!」なんて思ったり、経営者からしたら「現場は何をやってるんだ!」なんて実情を知らないまま思いつきの発言で現場を混乱させてしまったりします。
視点の違いで現場と経営層はなかなか相容れないですね。
とは言え、サービス業に限らずどんな仕事でも自分が扱ってる商品やサービスの先には必ずお客さんがいます。
目の前のお客さんを満足させるために頑張る現場があって、お客さんを満足させる仕組みを作り出す経営層がいて、両者の意識が重なりあうことで、お客さんに幸せな未来を提供できるようになります。
前置きが長くなりましたが、今回は現場と経営側、双方の視点を意識して、顧客満足を高めて優良客へと成長させる、その「サイクル」を作り出すことに注目していきましょう。
顧客を満足させるキーワードのおさらい
この記事「顧客満足度を向上させる2つのキーワード「貴方のための特別」と「素敵な未来」」でも書きましたが、お客さんが満足するのはどんな時かおさらいしてみましょう。
○素敵な未来
お客さんは商品やサービスの対価としてお金を払っている気がしましが、よーーく考えると、手にしたことで変わる「素敵な未来」に期待してお金を払っているんです。
水を買う理由はなんでしょうか?
使い方の一つは飲むためです。
のどがカラカラになってこの水を一気に飲み干したらどんなに潤うだろうかと想像しています。
。
あるいは備蓄用です。
災害が起こって水が飲めない状態で死にたくない。
水が手元にあれば安心できる、「無いこと」で感じる不安を取り除きたいと考えます。
お客さんは目の前の「モノ」買ったのではなく、実際はそのモノを手に入れた先にある「未来」にお金を払っています。
○貴方のための特別
現代の人たちは物質的な欲求から精神的な欲求を満たすことにお金を出すようになってきました。
だから価値を感じる対象が自分の価値観に合っているかどうか、特別感を感じるかどうかに変わってきました。
「貴方のために特別に用意したものです」と言われて感動的な場面を目の前にしたら値段以上に価値を感じてしまいます。
昔、マスターカードのCMで「お金で買えな価値がある」ってキャッチコピーがありましたが、この記事を書いているいまなら腑に落ちる気がします。
本当の価値はお客さんが一人一人によって違うんですよね。
顧客を成長させる
この記事「顧客を成長させると潜在的な見込み客が100倍獲得できる話」では、購買意欲の高い「いますぐ客」だけを狙うのではなく、広い視野をもって隠れた99%の見込み客を育てていきましょう、というお話をしました。
欲しいと思って、なおかつ必要と感じているお客さんをターゲットにすれば、もちろん買ってくれる確率はとても高いです。
ですが、このお客さんを狙う競合は他にも大勢いるのです。
市場をよく見渡してください。
欲しいけれど今すぐは必要ないと感じてるお客さんがいれば、すぐに必要だけれどどれにしようか迷っているお客さんもいます。
いろいろなタイプのお客さんがいますが、それぞれに最適なタイミングでアプローチを仕掛けることで、お客さんの購買意欲を高めることができます。
お客さんが成長すれば接触の方法も変えていかなければいけません。
新規客から固定客へ成長させるには、次回も素敵な未来が手に入ると教えてあげる必要があります。
固定客から優良客へ成長させるには、いつ買っても金額を超える価値がある、つまり特別感を感じてもらう必要があります。
ではどのようにして客さんを成長させれば良いのかでしょうか?
AARRRでユーザーの成長サイクルを作る
お客さんの成長をただ待つのではなく、積極的なアプローチを続けてお客さんとの絆が生まれることで、商品やサービス、企業に対して愛着を感じてくれるようになります。
これはマーケティング用語でエンゲージメントと呼ばれています。
エンゲージメント(絆や愛着)を向上させることがお客さんの成長に繋がるのです。
まずは、お客さんが商品やサービスを買ったり使ったりするときに、どのような行動をするのか分解しながら見ていきましょう。
Webマーケティングでは顧客の行動変化を5段階に分けたAARRRというモデルがあります。
①Acquisition(アクイジション:誘導)
②Activation(アクティベーション:活性化)
③Retention(リテンション:継続)
④Referral(リファラル:紹介)
⑤Revenue(レベニュー:収益)
行動を分解することで、顧客を成長させるために何をすれば良いのか取っ掛かりが見えてきます。
つまり、「○○してもらうには?」という視点から私たち売り手が何をすべきかを考えるのです。
①お客さんに来てもらうには?
②使ってもらうには?
③使い続けてもらうには?
④紹介してもらうには?
⑤買ってもらうには?
このように問いにしてみると、ひとつずつ対策を立てることができますね。
①お客さんに来てもらうには?
商品に興味のあるにお客さんに対して、悩みをか抱える貴方のためにこの商品を用意したこと、そして素敵な未来を提供できる根拠があることを伝えます。
②使ってもらうには?
よくわからないからと離れてしまわないように、悩みを解決する方法を丁寧に教えます。
ここでお客さんとの信頼関係を築きましょう。
③使い続けてもらうには?
一定期間離れてしまわないように、継続してアプローチを続けましょう。
また、お客さんの愛着度合いに合わせて特別に用意した価値を提供しましょう。
④紹介してもらうには?
人に紹介することで得られる新たな価値を説明しましょう。
紹介することがお客さんの悩みを解決する手段であると更に効果的です。
⑤買ってもらうには?
愛着度が高まったらお金を出すことで素敵な未来が手に入ることに気づいてもらいます。
また、継続して利用してもらうことで、この商品がなくなると困ってしまうと感じてもらえれば、大切にすべき優良客になった証です。
①~⑤を繰り返す
また①に戻って新たなお客さんの成長を促していくことで、見込み客を優良客に変えるサイクルが出来上がります。
まとめ
AARRRは人の行動を分解した指標です。
「○○してもらうには?」の○○を言い換えることで、モノ、サービス、対面、インターネット、有形、無形、人が関わるどんな活動にも応用ができます。
今回ご紹介したお話のキーワードは以下の通りです。
・顧客満足度を高める
「素敵な未来」
「貴方のための特別」
・顧客を成長させる
「エンゲージメント(絆・愛着)」
・成長サイクルを作る
「AARRR」
「誘導、活性化、継続、紹介、収益」
このパターンを活用して貴方の事業が軌道に乗るお役に立てれば私も幸せです!