顧客満足度を向上させる2つのキーワード「貴方のための特別」と「素敵な未来」

マーケティング

どんな商売をしていても、最終的にはその商品やサービスを使う顧客が必ずいますよね。

お店の経営者なら、どうすれば自分の商品を知ってくれて、もっと買ってくれるのかと悩みます。

営業なら、どうすればクライアントに刺さる提案ができるだろうかと頭を抱えます。

Web担当者だって、ユーザーにどんなアプローチをすれば、どんなランディングページを作ればコンバージョンに繋がるか考えるはずです。

そこで、今回は2つのキーワードから、人がどんな気持ちになると物を買ったり、お金を出したりするのかご紹介します。

この本質を理解しておけば、人が関わる全ての経済活動に応用できますし、人間関係だって劇的に改善することでしょう。

いまの人は何に価値を感じるのか?

まずは状況を整理してみましょう。

経済成長まっただ中の日本なら、大まかにカテゴリしたボリューム層に向けて安価なモノを提供すれば、右に倣えでみんな同じモノを買ってくれたでしょう。
自分の生活を物質的に豊かにするのが当時の人々の憧れと目標でした。

けれど、現在では社会全体が物質的に豊かになってきた影響もあり、大衆向けでみんなと同じモノを買ってもなかなか満足できません。
その代わり精神的な豊かさを求めるようになってきたのです。

いま生きる私たちは、自分にとって大切なものや特別なことでなければ、そこに価値を感じないのです。

顧客一人一人が何を大切にしてどんなことに特別を感じるのか、そのことを調べるのはとても手間がかかるし大変なことですから、売り手としては悩ましい問題です。

でもキーワードの一つ目は見えましたね。
『貴方のための特別』に価値を感じるのです。

お金を払って何を得ているのか?

次は靴を買いに来たという例え話で解説していきます。

パターン①

仕事柄、立っていることが多い仕事なので靴擦れしてしまいました。
今日は足が痛くならない履き心地のいい靴が欲しいと思って買い物に来ました。
長く履けるように少し値が張っても良い商品を買おうと思います。

お店で品定めしていると定員さんが話しかけてきました。

店員「この靴、品切れが続いていたんですけど、ちょうど今朝入荷したばかりなんですよー!!」

私「はあ、そうなんですか」

店員「しかも、あの人気デザイナーさんが手がけたので雑誌にも載ってて大人気なんですー!」

私「へぇー」

店員「し!か!も!今なら10%オフなので、今だけのチャンスですよー」
「さらに!・・・ぺらぺらぺら・・・」

私だったら帰りますね、この状況は。

店員さんはこの商品の素晴らしいところを一生懸命伝えようとしていましたが、お客さんが何を求めているのか察することができませんでした。

では次のシチュエーションはどうでしょうか。

パターン②

お店で品定めしていると定員さんが話しかけてきました。

店員「何かお探しでしょうか?」

私「靴擦れしてしまうので履き心地の良い靴を探しているんです」

店員「それでしたら、こちらの靴はインソールに特殊な素材を使っているので履き心地がとても良いんです。当店でもお勧めしております。」

私「じゃあ、試着してみます」

店員「何かございましたらお声かけください」

私「(んー、履き心地は良いけど他のお店でも見てみようかな)」

他店でも比べるために今日は帰ってしまいました。

この店員さんの場合、客の「履き心地」という要望には応えていましたが、なぜ履き心地の良い靴を求めていているのか、この靴を買うことでどんな未来が待っているのか想像させるまでに至りませんでした。

では最後のパターンです。

パターン③

お店で品定めしていると定員さんが話しかけてきました。

店員「何かお探しでしょうか?」

私「靴擦れしてしまうので履き心地の良い靴を探しているんです」

店員「拝見させていただきます。今日お履きの靴はクッションが柔らかめですね。普段から歩くことは多いんですか?」

私「そうですね。一日歩きっぱなしのこともありますね」

店員「柔らかインソールは以外と疲れやすいので、硬めの方がいいですよ。それと、かかとはホールド感があるとすき間がなくなるので足にしっかりフィットします。歩くときはかかとにへの圧力を爪先に逃がす必要があるのである程度傾斜も必要ですね。」

私「へぇー」

店員「こちらの商品は長時間歩くことを想定して設計されているので、一日中歩いても足の裏やふくらはぎに負担がかからず痛みも軽減されます。それに通気性の良い素材なので夏場でも靴の中が暑くなりにくいんです。足に合った靴を履くと姿勢もよくなるのでスタイルもよく見えるんですよ!」

店員「今なら足の計測を無料で実施しているので、お客様の足にぴったり合うようにインソールで調整させていただくことも可能ですが、いかがでしょうか?」

私「じゃあ、せっかくだからお願いしようかな」

この店員さんは足が痛くなる原因を説明した後に、問題を解決できる商品を紹介しましたね。

さらにその商品を使ったときの具体的なシチュエーションや、この商品で手に入る『素敵な未来』をイメージさせることで購買意欲を掻き立てています。
最後に『貴方のための特別』も提示してましたね。

「いかがでしょうか?」という決断を迫る言葉で会話を締めるのも特徴的でした。

解説

顧客は商品やサービスを買うためにお金を払っていると思いがちですが、実際はその商品やサービスを手に入れた後の『素敵な未来』に対してお金を出しているのです。

モノを売るときも、クライアントに提案する時も、ネットでユーザーにアプローチする時も、提供するモノの特徴を伝えるだけでは足りないのです。
そのモノが手に入った後の『素敵な未来』をイメージさせることが大切なんですね。

まとめ

『貴方のための特別』はOne to Oneマーケティングの特徴で、顧客一人一人を適切にセグメントして、最適なタイミングで提示することで効果を発揮します。

『素敵な未来』はマーケティング用語でベネフィットと呼ばれています。
何気ない会話のなかでも相手が得られるメリットを伝えると共に、具体的にこんな未来が待ってるよ、と伝えられると説得力がぐんと上がりますね。

この2つのキーワードは相手が喜ぶことを最大限提供してあげたいという、奉仕の精神にも似ています。

やっぱり自分のために一生懸命何かをしてくれると嬉しいですよね。

まずは身近な人へのサプライズプレゼントが良い練習になるので、是非試してみてください!

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