『日本沈没』新作ドラマ始動!小松左京の原作とともに歴代映像化4作品を振り返り

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2021年10月10日(日)から小栗旬主演の日曜劇場『日本沈没ー希望のひとー』(TBS系)が放送開始となります。本作はテレビでの放送終了後にNetflixを通じて世界配信を予定しており、日曜劇場『半沢直樹』に次ぐヒット作にしようと意気込んでいますが、”災害”というデリケートな話題を取り扱うことで放送前から少なからず炎上気味にもなっていますね。

今回は、原作となる1973年に刊行された小松左京によるSF小説『日本沈没』とともに、過去に映像化した映画2本、ドラマ1本、アニメ1本についても、どのような作品だったのかを振り返ってみましょう。

原作小説『日本沈没』(1973年)

日本列島の下で、何かが起こっている!? 深海潜水艇“わだつみ”の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士と日本海溝に潜り、異変を発見した。日本沈没を警告する田所博士の指示で、政府は“D―1”計画を立て、極秘に調査を開始した。――危機管理のあり方、世界の中の日本とは、そして日本人とは何か……さまざまな問題を喚起した空前のパニック小説!引用:光文社文庫

『日本沈没』は1964年から執筆が開始され、9年後の1973年3月に光文社カッパ・ノベルスから上下巻が同時刊行されました。

年内に380万部以上を売り上げ、翌1974年には「第27回日本推理作家協会賞」や「第5回星雲賞日本長編部門」をそれぞれ受賞するなど大ヒットを記録した作品です。

1977年には映画『スターウォーズ』が公開されましたが、『日本沈没』がその後に続くSFブームの礎を築いたと言っても過言ではないでしょう。

映画『日本沈没』(1973年)

大ベストセラー小説の完全映画化。空前のスケールで描く、スペクタクル映画の原点!日本海溝直下の大規模な地殻変動により、日本列島のほとんどが海中に沈没するという驚愕の事態が予測された。それを裏打ちするかのように、各地の火山が噴火、マグニチュード8以上の大地震が次々と発生。Xデーが避けられないと悟った政府は、諸外国に避難する国民の受け入れを要請する。1億の日本人は、どこへ逃れるのか?日本が沈んでいく! 引用:Prime Video

小説が発刊された9カ月後、1973年12月には映画が公開されるという超絶スピード展開です。

本編の監督は森谷司郎が務めており、同氏は後の『八甲田山』(1977年)でも大ヒットを記録するなど、本作によって監督としての知名度を大きく上げました。特技監督は中野昭慶が務め、その後『ゴジラシリーズ』などでも大活躍しています。

主要キャストは、田所雄介博士を小林桂樹が、小野寺俊夫を藤岡弘が、山本甚造首相を丹波哲郎がそれぞれ演じています。

製作費は5億円、製作期間は約4カ月と短かったものの、約880万人の観客を動員し、興行収入40億円、配給収入は16億4000万円の大ヒットを記録しました。この記録は1974年邦画部門配給収入1位となっています。

テレビドラマ『日本沈没』(1974年)

日本では珍しい本格SF特撮ドラマ。同名映画の大ヒットによって作られた、いわゆるTV化作品だが、TVシリーズ独特の味がありファンも多い。マントル対流によって日本海溝が沈降、日本列島は海に沈むというシチュエーションを、小野寺青年が全国をまわって各地の名所が水没していくさまを目の当たりにするという形で描いていく。引用:allcinema

テレビドラマ版の『日本沈没』は、映画化の後にTBSでドラマ化するという契約に従い、映画版と並行して撮影が行われました。

1974年10月から1975年3月まで全26話が放送されました。主演は劇場版から引き続き、田所雄介博士役を小林桂樹が演じています。村野武範、由美かおるをはじめ、黒沢年男、細川俊之、田中邦衛といった顔ぶれを揃え、キャスティング費用だけで1億円がつぎ込まれました。

スタッフは、監督は東宝アクションの巨匠・福田純や西村潔のほか東宝実力派が務め、特技監督を名匠・高野宏一、川北紘一などが担当しています。

当時は本ドラマが放送される前枠で『宇宙戦艦ヤマト』が放映されていたころから、2作品を合わせて見ていた視聴者も多かったようですね。

映画『日本沈没』(2006)

深海調査に参加した潜水艇《わだつみ6500》のパイロット・小野寺俊夫は、そこで驚愕の事実を知る。海底プレートの急速な沈降で、日本列島が1年後に沈没するというのだ。調査を指揮した地球科学の田所博士は日本の危機を訴えるが、学会は全く耳を貸そうとしなかった。しかし、内閣総理大臣・山本尚之は事態を重く受け止め、危機管理担当大臣を置き、日本人の避難先確保に動き出す。引用:allcinema

2006年にTBSが製作、東宝が配給を担当した2度目の映画化作品です。20億円を投じて製作された本作は2006年7月に公開しました。興行収入は53億4,000万円を記録し、当時としては大ヒットと言える映画でした。

監督は『ローレライ』で長編映画監督デビューした樋口真嗣が務めており、同氏は子供の頃に観たオリジナル版をきっかけに映画の道へ進んだと公言しています。

キャストは潜水艇パイロットである小野寺俊夫を草彅剛が、ハイパーレスキュー隊員の阿部玲子を柴咲コウが、田所雄介博士を豊川悦司がそれぞれ演じています。主演を務める草彅は『黄泉がえり』や『ホテルビーナス』で高い演技力が評価されたことから本作も注目を集めました。

一方で評価の方は、特撮による映像表現は一定の評価を得たものの、人間ドラマとしての心理描写や政治的、軍事的な描写がリアリティに欠けるなど厳しい声も上がりました。

実は映画版の『日本沈没』は、松竹が1998年に『日本沈没1999』として大森一樹監督の下でリメイクを計画していましたが、資金的な理由で実現しなかった過去があります。

アニメ『日本沈没2020』(2020年)

沈みゆく日本、それでも人は、前を向く。2020年、平和な日常が続く日本を襲った突然の大地震。都内に住むごく普通の一家、武藤家の歩(あゆむ)と剛(ごう)の姉弟は、大混乱の中、家族4人で東京からの脱出を始めるが、刻々と沈みゆく日本列島は、容赦なく彼らを追い詰めていく。極限状態で突きつけられる、生と死、出会いと別れの選択。途方もない現実と向き合う中、歩と剛は、未来を信じ、懸命に生き抜く強さを身に付けていく… 引用:公式サイト

Netflixオリジナルアニメとして2020年に公開されたのが『日本沈没2020』です。東京オリンピック直後の日本が舞台となっており、これまでの映像作品で描かれることの少なかった”家族”を通じて、現代版の日本沈没を描いています。

監督は『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』劇場映画や、『ピンポン THE ANIMATION』『映像研には手を出すな!』といった作品で高い評価を受ける湯浅政明が務めています。

個人の視点で災害時の”家族”を描く試みであったことから、リアリティのあるパニック作品を期待した視聴者からはあまり評価が上がらなかったものの、現代の価値観を背景に新たな切り口を提示した作品となっています。

テレビドラマ『日本沈没ー希望のひとー』(2021年)

主人公・天海啓示は、目的のためには手段を選ばず、時には強引な手法で政策を推し進めてきた野心家の環境省官僚。各省庁の次代を担う精鋭達を招集した“日本未来推進会議”に環境省代表として参加している中、日本地球物理学界の異端児・田所博士の“ある暴論”を通し、日本が未曾有の事態へと追い込まれていく運命に巻き込まれていく。 引用:公式サイト

さて、これらの映像作品のほかにも2度のラジオドラマ化もされるなど、48年の長きにわたって愛されてきた『日本沈没』ですが、今回、5度目となる映像化が実現しました。

TBSによる2度目のテレビドラマ『日本沈没ー希望のひとー』は、2021年10月10日からTBS系列の日曜劇場枠で放送開始します。

舞台は2023年の東京。日本の沈没という未曾有の危機を前に奮闘する人々を描くドラマとなっています。主要キャストはほとんどがオリジナルキャラクターとなっていることに加えて、ストーリーや舞台設定も原作から大きくアレンジが加えられています。

本作のテーマは「地球環境の危機」や「正義・リーダー論」となっていることから、小説版や初代劇場版のようなSFパニック作品を期待すると肩透かしを食らうと思うので、そこは『日本沈没』をオマージュした別作品として楽しむ必要がありそうです。

[STAFF]
原作:小松左京/脚本:橋本裕志/音楽:菅野祐悟/地震学監修:山岡耕春、篠原雅尚/記者監修:龍崎 孝/演出:平野俊一、土井裕泰、宮崎陽平/プロデュース:東仲恵吾/製作著作:TBS

[CAST]
小栗 旬/松山ケンイチ/杏/ウエンツ瑛士/中村アン/与田祐希/國村 隼/小林 隆/伊集院 光/風吹ジュン/比嘉愛未/宮崎美子/吉田鋼太郎/杉本哲太/風間杜夫/石橋蓮司/仲村トオル/香川照之/ナレーション:ホラン千秋

 

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